久々に読書のお話です。
最近読んでおもしろいなーと思った本。
芦沢央さんの「許されようとは思いません」
タイトルからして、ただならぬ空気を感じます。
この筆者の方の本は読んだことなかったですが、タイトルと文庫の裏に書いてあるストーリーに惹かれ購入しました。
5つの短編からなるミステリー小説です。
常に最下位だった営業成績を大きく上げたサラリーマン。
上司にも褒められ、誇らしい気持ちになりますが、売り上げ伝票を見返してみると、とんでもない発注ミスに気づきます。
そのミスを上司に伝えることができず、自分1人で解決する道を選ぶのですが、そのことで更にとんでもないことに巻き込まれていきます。
この1話目は誰にでも起こり得る仕事上のミスから重大な出来事に発展していく話なので、なんだかとても真実味があります。
まず思ったのは、ミスは隠ぺいしてはいけない。
隠ぺいしたくなる気持ちは痛いほどわかるけど…でもいい事ない…
それに遅かれ早かれ大体バレる…
そして、人は自分を守るためなら嘘もつくし、考え方さえも変えることができてしまう。
そういう弱いところって誰もが持っていると思います。
そんな人間の闇がみえてくる作品でもあるように思います。
でも、この人間臭さが私は好きなので、読んでいてハラハラドキドキしておもしろかったです。
よくできた結末に「なるほど、そうくるか!」と、うなりました。
あと好きなのは「姉のように」というお話。
幼児虐待で逮捕された姉の妹が、自身も子育てをしていく中で、虐待に近いことを繰り返すようになってしまい苦悩していくというような話です。
これも最後まで読んだ時に思わず、すぐに最初の部分から読み返してしまうような大大どんでん返しがあります。
あれっ?ってなります。
その「あれ?」の騙された感が心地よかったです。
5話全部がそんな感じなので、途中から疑ってかかって読むのですが、わからない!!
だからミステリーっておもしろいですね。
これはおもしろすぎて仕事の休憩中、通勤中で3日くらいで読み終わりました。
芦沢央さんの他の作品も気になるので読んでみたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました☆