角田光代 著
タイトルにも入れましたが、いわゆるママ友たちの人間関係を描いた小説です。
登場人物たちは性格も家族構成も育ってきた環境も全然違う5人の子供を育てているお母さんたちです。
共通点はみな子供がいることくらいです。
幼稚園での出会いなどからこの5人は知り合い、ママ友となっていきます。
最初の方は仲良く心の底から一緒に過ごす時間を楽しんでいたはずの5人ですが、だんだんと関係は悪く険悪なものになっていってしまいます。
仲が悪くなる原因というのがまずは子供のお受験問題。
受験をするのかしないのかでさえ、諍いの元になってしまう・・・。
あの人は本当は受験するのに隠しているんじゃないか、とか。
良い幼児教室に行っているのに私には教えてくれない、とか。
みんながそれぞれ疑心暗鬼になっていって、結果ぎくしゃくしてしまう。
これは小説なので大げさに書かれているのかもしれないけど、現実世界でもこういうことは少なからずありそうだなと思います。
あとは、みんなが同じ時期に第2子を身ごもったのに1人だけ授かれなかったという
こと。
周りは気にしていないのに、本人だけは疎外感を感じて間違った被害妄想などを生み出してしまう。
これは子供がいない私でも多少気持ちわかります。
みんながどんどん子供が出来ていく中でできない私。
疎外感やうらやましさ、嫉妬などいろんな気持ちが入り乱れてしまいます。
あめでたいことなのに心のどこかでこういう気持ちがでてきてしまう。
この小説を読んでいると、いろんな場面でみんなそれぞれが友達と自分を比べては落ち込んだり焦燥感を抱いたりしています。
私はこういう描写に「わかるーーーー」って共感して読み進めました。
こういう比べちゃうのって女性特有なんでしょうか?
男性も人と比べたりすることはもちろんあるだろうけど、女性の方が過剰に気にしてしまうことが多いイメージ。
私は子供がいないしこの先できるかもわからないけど、これを読むととにかく
ママ友 怖っ!!!
と怯えます。
震える・・・。
ママ友に悩んでる方はもちろん、ママ友いなくても女性特有の人間関係で悩んだことがある人なら、絶対共感して読み進められると思います。