角田光代 著
角田光代さんは読書を頻繁にするようになったきっかけを作ってくれたような大好きな作家さんです。
著作はほぼ全て持っていて今後も大切にしていくつもりです。
ちなみに一番好きな作品は「愛がなんだ」という作品です。
この話はまた今度したいです。
「庭の桜、隣の犬」は数年前に購入して前に1度読んでいたのですが読み返したので記録したいと思います。
郊外のマンションに暮らす30代の夫婦の話です。
小さな事件は起きるんですが大方、日常のなんでもない毎日の話が多いです。
角田さんの小説の日常の描き方が好きです。
誰もがやってるような日常の生活とか、人間のダメなとことかを上手く書いてるなーって毎回思います。
そこが読んでいてすっと入ってきます。
主人公の1人、妻の房子はなにに対してもやる気がない。
仕事も特に必要ないからとやらず、料理を作ったりとか主婦らしいこともしない…などなんとなく人生に対しての活力がない。
夫の宗二も同様で仕事はしているが仕事に対してのやる気がないしその他についても興味があるものもなく、こちらも活力や意欲のようなものがない。
そんな2人なので夫婦としても、こうなりたいとか子供が欲しいとかそういうものが全くない。
最後の方に房子の方がそれに気付きはじめてしまう…。
ぶっちゃけ夫婦の危機が訪れても、その危機さえも意欲がないがために危機として受け取れず気持ちに波が立たない。
それはそれですごく寂しいことなんだろうと思った。
房子は無理矢理、嫉妬してみたり怒ってみたりする。
こうしなくてはいけないんじゃないか、と。
なので、怒りがこみ上げたりするのも人間らしくて悪いことではないのかもなんて思いました(笑)
ある意味人生にまだやる気をもっている証拠?
やる気がなければ怒りもないだろう。
最後の最後に房子が意外な方向でやる気を見せることになります。
それがまたなんとも変っていて、房子らしくて私は好きでした。
そこでやる気見せるか?!
という感じで面白かったです。
ここ何日か図書館に行けずにいたので今日久々に図書館に行き本を仕入れてきました。
初めて読む作家さんの本もあって楽しみです。