誉田哲也 著
北九州で実際に起きた「北九州監禁殺人事件」を元にした作品とのことで興味をひかれて読んでみました。
犯人の男は交際していた女性に暴力をふるい、そして女性だけではなくその家族たちにも魔の手を伸ばしていきます。
家族を一つのマンションの一室に監禁して家族同士で暴力をふるうように犯人の男はマインドコントロールしていく。
そうすることによって、人間の精神を壊して家族が結託して逃げたりしないようにしていたと思われる。
そして暴力に留まらず最終的には殺害、死体遺棄まで家族同士で行わせるという到底、常識では考えられないことが起きる。
家族ごと乗っ取るという表現が合ってるような気がします。
暴力、殺人の描写も生々しくて読み進めるのがつらいです。
この小説では監禁されている家族の話ともう一つ20代の同棲カップルの話も同時に進められていて最初はなんの関係があるの?この2人めっちゃ平和じゃんって感じなんですが徐々にものすごく密接に関わってきます。
この人は一体この事件とどう関わっているの?どうなの?
って気になって気になってほぼ一気読みしちゃいました。
これが実際に起きたことなんだと考えると、どうしても信じられないくらいひどい事件です。
タイトルではないけれど犯人は人間ではありません。
ケモノです。
こんなサイコパスが世の中にいるんだと思うととても恐ろしくなりました。